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抜歯の原因とできること

<主な抜歯の原因>

  1. 虫歯が深すぎる
  2. 根の先端に大きな病巣がある
  3. 骨が溶けて歯がグラグラしている
  4. 根にヒビが入っている
  5. 機能していない歯が、周囲の歯を悪くする原因になっている(埋まった親知らずなど)

これらの抜歯の原因に対し、何ができるのか?1つずつ解説します。

①虫歯が深すぎる

虫歯の深さや、歯種(前歯or奥歯)にもよりますが、残せる可能性はあります。

歯茎より上に残っている歯質をフェルールと言います。フェルールのない歯=歯茎に埋まっている歯は、そのままでは抜歯が推奨されます。一番良くないのは「そのままギリギリ残す」ということです。

フェルールのない歯に無理やり土台を立てて残しても、被せ歯の脱離や歯根破折が非常に多くなります。何らかの方法で、歯茎の上に根が出ている状態にする必要があります。

(ⅰ)クラウンレングスニング

歯茎を開いて骨と歯茎の位置を下げることにより、フェルールを確保する方法です。

周囲に健康な歯が残っている場合は、その支持骨も削ってしまう為、適応できない場合が多いです。数歯に渡って残根状態の歯がある場合は、根の長さによっては保存できる可能性があります。

(ⅱ)エクストルージョン

矯正力を用いて根を引っぱり上げる方法です。

固定源になる歯がない場合は、アンカースクリュー(矯正用インプラント)を用いることもあります。前歯または小臼歯が対象で、大臼歯はできません。

エクストルージョン後は、骨や歯肉も一緒に挺出しているため、クラウンレングスニングが必要となります。

※(ⅰ)、(ⅱ)共、保険外治療となります。

  • クラウンレングスニング 1歯あたり 税込み 11,000円
  • エクストルージョン 税込み 33,000円
  • アンカースクリューを用いたエクストルージョン 税込み 55,000円

どちらの方法にしても、残る健全歯質の長さが十分にあることが前提です。

②根の先端に大きな病巣がある

感染根管治療によって治せる可能性はあります。(根管治療はコチラ→

ただし、根管治療の成功率はアメリカの専門医でも70%(3度目の治療では53%)ですから、治癒しない確率も高いです。

根管治療は、残っている歯質の量や、もともとの治療の質によって、見通しが大きく変わりますので、まずは御相談ください。

※アメリカでは根管治療は専門医に紹介して治療してもらうのがスタンダードです。当然、専門医の技術レベルは相当高く、また、費用も日本の20~30倍かかります。
それでもこの成功率であるということは、根管治療の難しさを物語っていると言えます。

③骨が溶けてグラグラしている

程度にもよりますが、咬み合わせのコントロールと、歯周病の治療で治る可能性もあります。(歯周病治療はコチラ→

ただし、無理な歯を残すことによって、周囲の歯に悪影響を与える場合もあり、慎重な診断が必要となります。

④根にヒビが入っている

抜歯の原因の11%を占める「歯根破折」。この場合は抜歯が推奨されます。
どうしても抜歯したくない場合は、「破折歯接着治療」を行っている先生を紹介することはできます。

この治療法は、私も講習会で学びましたが、保険外治療となり、高額な費用をいただく程の予後に自信が持てない為、当院では採用しておりません。

ただし、行っている先生によっては、長期に渡って保存している症例もありますので、御希望の方には紹介させていただきます。

⑤機能していない歯が、周囲の歯を悪くする原因になっている

これは基本的に抜歯すべきと思われます。

 

ここまで抜歯を回避する可能性についてお話してきましたが、他院にて抜歯の診断が下ったということは、基本的には厳しい状態であることは間違いありません。

また、誰しも自分の歯は抜きたくないものですが、「抜歯も大事な治療である」ということは御理解いただきたいと思います。

この事実をふまえ、保存の可能性について知りたい方は、御相談ください。